部屋のチャイムを鳴らすとすぐに内側からスピードワゴンがドアを開いた。 なんとか意気投合しているんじゃないかと期待しながら開けた先には眉をひそめてシーザーを横目に見るジョセフと嫌悪感を隠そうともせずジョセフを睨みあげていたシーザーだった。
二人の顔を交互に見比べて、スピードワゴンの笑顔は困惑した表情に変わる
「……なんだ。どうしたんだ」
「べっつにぃ?俺はなァんも。」
「……」
どちらも何も話そうとせず沈黙が流れる。
その沈黙を破ったのはやはりスピードワゴンだ。
「最初は部屋で話をするのもいいかと思ったが…待ち合わせの時間までまだ余裕もある。天気もいいし広場に出よう。シーザー、案内してくれるね?」
「……えぇ。」
そう言いつつスピードワゴンはそのまま部屋を出て鍵をかけてから廊下を歩き出す。そのとなりに並ぶようにシーザー、追うようにジョセフが歩き出す。
そんな状況だからだろう。ジョセフの瞳が一瞬揺らいだことに誰も気がつかなかった
Connect02:やっぱり何も変わってない
「どこから来たんだいお嬢さん。水面を背景に写真を撮ってあげようか」
シーザーが噴水の淵に座りながら近くにいた女性に声をかけるとそれに気づいた女性が嬉しそうに近寄ってくる。
「いやーこの国の動物は人懐っこいねぇ。男はヤな感じだけどなぁ?」
「ふん」
それを見ながら鳩と戯れていたジョセフがシーザーの耳に届くように声を上げる。
シーザーは目に見えて不機嫌な顔で鼻を鳴らす。 ジョセフもそれ以上何も言わずに黙り込む。
そのそばでさきほどからスピードワゴンは困ったという表情をしている
「こ、こら二人とも私のところに来る前挨拶は済ませたんだろう?改めて紹介もしたんだし、仲良くできんのか」
「言っとくがなぁじいさん、俺は仲良くしようとしてるだぜ?でも相手がこんな態度じゃあ出来るもんもできねぇよ。」
「それは、そうだが…」
「つぅか、部屋に行くまでは機嫌よかったよなぁ?なんなの急に」
「……ただガッカリしただけだよ 」
「あん?」
シーザーは立ち上がると女性に微笑みながら手をやんわりと解く。
「確かに最初あったときはとても好印象を抱いていたよ。スピードワゴンさんに最初言われたときはどんなやつかと警戒していたがマナーもよく社交的で思っていたよりは全然いいやつだったしな」
どうやら当初スピードワゴンには相当印象を悪くする紹介をされたらしい。
「…何言ったんだよスピードワゴン」
「いや、わたしは多少激情しやすくて、乱暴な面があるがいい子だからと…」
「おっまえー!!なんて紹介してやがる!!」
「面倒がかかる。も追加されてたぜ」
「ちくしょーッ!!」
ガシガシと頭を搔くジョセフをシーザーは気にしない。
「だがな、さっきのふざけた態度でがっかりしたよ」
「部屋の階間違えただけじゃあねーかッ!!」
「そこだ。そこがいけないんだジョースター」
風を切るようにジョセフに人差し指を向ける。シーザーの表情は険しく眉が微かに歪んでいる。
「人を舐めきったような態度!それが気に入らねえぜッ」
「シーザー、何を言って……」
「いや、スピードワゴンさんこの際だがハッキリ言わせてもらおう」
シーザーは立ち上がりスピードワゴンに振り返る
「50年前俺の祖父に起こった悲劇は!俺の父が受け継ぎ、父は生涯石仮面の謎を追った!俺たちイタリア人は一族を思う気持ちがどの民族よりも強い!それを誇りにしているから受け継ぐのだ!そしてそれは俺も同様だ!」
親指でジョセフを指差す。ジョセフは表情一つ変えない。
「だがこの男はどうだ?三ヶ月前まで自分の祖父のことを何一つ知らなかったというではないか!なんていい加減なやつだ!気に食わん!」
「そ、それは私が全てジョジョに秘密にしていたからなのだよ」
スピードワゴンが訂正するように口を開くがシーザーはため息をつくだけだ。
「まぁ、その点に関してはよしとしよう、俺はそいつがストレイツォや柱の男と戦ったというからどんなやつかと思って心待ちにしていたが、今までの態度からして、きっとまぐれで勝てたにすぎんと思った」
「おいシーザー!」
「とにかく俺はこんなやつと組むのはごめんだぜ……まぁ、なんならお前の波紋を試してやらんこともないがな」
ふん、と鼻を鳴らしてジョセフを伺うとじっとその場で地面を見つめて座り込んだままだ。
彼のことだから怒って向かってくるのかと思っていたシーザーとスピードワゴンは少しばかり意外だという顔をした。
ジョセフが溜め息を吐いて立ち上がる
「…結局はこうなるんだよなぁ」
参った参ったと呟きながらシーザーに向き合う。
「いいぜ、やってやろうじゃねえの。ほら、来いよ」
乗ってきたか、とシーザーが言葉を返す
「俺から動く必要はない」
傍にいた女性を引き寄せて唇を重ねる。
「おい何してんだよぉーッ!!」
「……いいか、ジョセフ・ジョースター。はっきり言ってやろう」
ふらふらとシーザーから離れた女性はジョセフに掴みかかる
「貴様ではその女の子にさえ勝てんッ!」
「ッ…!!」
ジョセフはそのまま抵抗もできずに投げ飛ばされる。
「―――?」
ふと、シーザーは違和感を感じる。
今ジョセフは力づくで逃げようとしたふうには見えなかった。焦っているというよりも落ち着いて様子を伺うというかそんな雰囲気を感じた。
が、今となってはどうでもいいだろう。実際彼は今負け確定の立場なのだ。
呼吸を整えてシャボン玉を作り出す。
「喰らって田舎に帰りなッ!ジョースターッ!」
起き上がって呼吸を整えているジョセフの目の前でシャボン玉が音を立てて弾ける。ジョセフはもう一度倒れ込んだ。
「っくそ……」
思ったよりもダメージが少ないようだがそれでも満足げにシーザーは先程の波紋を流した女性に歩み寄る。
次の瞬間だ
「次にオメーは……『どれシニョリーナ、キスで魔法をといてやる』と言う」
「どれシニョリーナ、キスで魔法を解いてあげよう――」
は、と気づいたときにはもう遅かった。女性の口から鳩が飛び出してきてシーザーに激突する。
「ぐっ……!?」
「さっきその子に襲われたとき、波紋を流し込んだ鳩を入れておいた。どーせオメーのことだから、キスで波紋を解くんじゃあないかと思ったからな。」
鳩から伝わる波紋が強い痺れとなって体内を流れる。
回転する視界の中ジョセフの顔は逆光で見ることができない。
そして、次に聞こえた言葉は空耳だろうか。
「やっぱり何も変わってない……」
「なに、を……」
途切れていく意識の中で最後に聞き取ったのはジョセフの高らかな声だった
「いいかシーザー!てめえは、鳩にさえ勝てねえのさ!」
微かにバラの香りがしたような気がした
Connect02:やっぱり何も変わってない-Fin-
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更新遅くてマジ。文章かけなさ過ぎてな
二人の顔を交互に見比べて、スピードワゴンの笑顔は困惑した表情に変わる
「……なんだ。どうしたんだ」
「べっつにぃ?俺はなァんも。」
「……」
どちらも何も話そうとせず沈黙が流れる。
その沈黙を破ったのはやはりスピードワゴンだ。
「最初は部屋で話をするのもいいかと思ったが…待ち合わせの時間までまだ余裕もある。天気もいいし広場に出よう。シーザー、案内してくれるね?」
「……えぇ。」
そう言いつつスピードワゴンはそのまま部屋を出て鍵をかけてから廊下を歩き出す。そのとなりに並ぶようにシーザー、追うようにジョセフが歩き出す。
そんな状況だからだろう。ジョセフの瞳が一瞬揺らいだことに誰も気がつかなかった
Connect02:やっぱり何も変わってない
「どこから来たんだいお嬢さん。水面を背景に写真を撮ってあげようか」
シーザーが噴水の淵に座りながら近くにいた女性に声をかけるとそれに気づいた女性が嬉しそうに近寄ってくる。
「いやーこの国の動物は人懐っこいねぇ。男はヤな感じだけどなぁ?」
「ふん」
それを見ながら鳩と戯れていたジョセフがシーザーの耳に届くように声を上げる。
シーザーは目に見えて不機嫌な顔で鼻を鳴らす。 ジョセフもそれ以上何も言わずに黙り込む。
そのそばでさきほどからスピードワゴンは困ったという表情をしている
「こ、こら二人とも私のところに来る前挨拶は済ませたんだろう?改めて紹介もしたんだし、仲良くできんのか」
「言っとくがなぁじいさん、俺は仲良くしようとしてるだぜ?でも相手がこんな態度じゃあ出来るもんもできねぇよ。」
「それは、そうだが…」
「つぅか、部屋に行くまでは機嫌よかったよなぁ?なんなの急に」
「……ただガッカリしただけだよ 」
「あん?」
シーザーは立ち上がると女性に微笑みながら手をやんわりと解く。
「確かに最初あったときはとても好印象を抱いていたよ。スピードワゴンさんに最初言われたときはどんなやつかと警戒していたがマナーもよく社交的で思っていたよりは全然いいやつだったしな」
どうやら当初スピードワゴンには相当印象を悪くする紹介をされたらしい。
「…何言ったんだよスピードワゴン」
「いや、わたしは多少激情しやすくて、乱暴な面があるがいい子だからと…」
「おっまえー!!なんて紹介してやがる!!」
「面倒がかかる。も追加されてたぜ」
「ちくしょーッ!!」
ガシガシと頭を搔くジョセフをシーザーは気にしない。
「だがな、さっきのふざけた態度でがっかりしたよ」
「部屋の階間違えただけじゃあねーかッ!!」
「そこだ。そこがいけないんだジョースター」
風を切るようにジョセフに人差し指を向ける。シーザーの表情は険しく眉が微かに歪んでいる。
「人を舐めきったような態度!それが気に入らねえぜッ」
「シーザー、何を言って……」
「いや、スピードワゴンさんこの際だがハッキリ言わせてもらおう」
シーザーは立ち上がりスピードワゴンに振り返る
「50年前俺の祖父に起こった悲劇は!俺の父が受け継ぎ、父は生涯石仮面の謎を追った!俺たちイタリア人は一族を思う気持ちがどの民族よりも強い!それを誇りにしているから受け継ぐのだ!そしてそれは俺も同様だ!」
親指でジョセフを指差す。ジョセフは表情一つ変えない。
「だがこの男はどうだ?三ヶ月前まで自分の祖父のことを何一つ知らなかったというではないか!なんていい加減なやつだ!気に食わん!」
「そ、それは私が全てジョジョに秘密にしていたからなのだよ」
スピードワゴンが訂正するように口を開くがシーザーはため息をつくだけだ。
「まぁ、その点に関してはよしとしよう、俺はそいつがストレイツォや柱の男と戦ったというからどんなやつかと思って心待ちにしていたが、今までの態度からして、きっとまぐれで勝てたにすぎんと思った」
「おいシーザー!」
「とにかく俺はこんなやつと組むのはごめんだぜ……まぁ、なんならお前の波紋を試してやらんこともないがな」
ふん、と鼻を鳴らしてジョセフを伺うとじっとその場で地面を見つめて座り込んだままだ。
彼のことだから怒って向かってくるのかと思っていたシーザーとスピードワゴンは少しばかり意外だという顔をした。
ジョセフが溜め息を吐いて立ち上がる
「…結局はこうなるんだよなぁ」
参った参ったと呟きながらシーザーに向き合う。
「いいぜ、やってやろうじゃねえの。ほら、来いよ」
乗ってきたか、とシーザーが言葉を返す
「俺から動く必要はない」
傍にいた女性を引き寄せて唇を重ねる。
「おい何してんだよぉーッ!!」
「……いいか、ジョセフ・ジョースター。はっきり言ってやろう」
ふらふらとシーザーから離れた女性はジョセフに掴みかかる
「貴様ではその女の子にさえ勝てんッ!」
「ッ…!!」
ジョセフはそのまま抵抗もできずに投げ飛ばされる。
「―――?」
ふと、シーザーは違和感を感じる。
今ジョセフは力づくで逃げようとしたふうには見えなかった。焦っているというよりも落ち着いて様子を伺うというかそんな雰囲気を感じた。
が、今となってはどうでもいいだろう。実際彼は今負け確定の立場なのだ。
呼吸を整えてシャボン玉を作り出す。
「喰らって田舎に帰りなッ!ジョースターッ!」
起き上がって呼吸を整えているジョセフの目の前でシャボン玉が音を立てて弾ける。ジョセフはもう一度倒れ込んだ。
「っくそ……」
思ったよりもダメージが少ないようだがそれでも満足げにシーザーは先程の波紋を流した女性に歩み寄る。
次の瞬間だ
「次にオメーは……『どれシニョリーナ、キスで魔法をといてやる』と言う」
「どれシニョリーナ、キスで魔法を解いてあげよう――」
は、と気づいたときにはもう遅かった。女性の口から鳩が飛び出してきてシーザーに激突する。
「ぐっ……!?」
「さっきその子に襲われたとき、波紋を流し込んだ鳩を入れておいた。どーせオメーのことだから、キスで波紋を解くんじゃあないかと思ったからな。」
鳩から伝わる波紋が強い痺れとなって体内を流れる。
回転する視界の中ジョセフの顔は逆光で見ることができない。
そして、次に聞こえた言葉は空耳だろうか。
「やっぱり何も変わってない……」
「なに、を……」
途切れていく意識の中で最後に聞き取ったのはジョセフの高らかな声だった
「いいかシーザー!てめえは、鳩にさえ勝てねえのさ!」
微かにバラの香りがしたような気がした
Connect02:やっぱり何も変わってない-Fin-
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更新遅くてマジ。文章かけなさ過ぎてな
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