ただいまを言いおかえりを聞きたい
『帰想本能』
「全ての魔女を消し去りたい」
そう願って自ら神になったまどかの働きもあって魔法少女は救われていた
まどかが概念になってから5人の中でも早くまどかの元に戻ったさやかは
まどかの働きを一番よく見ていた
終わりが近づく魔法少女を迎えに行く
魔法少女が普通の少女として少しでも楽しく暮らせるようにまどかは
楽園のようなものを作った
戦わなくてもいい 友達と楽しく好きなことをする少女を見るまどかもまた楽しそうだった
もちろんさやかも楽しかったし またそんな人物を親友に持ったこと
その手伝いができることを喜んでいた
しばらくして杏子とマミが来た
まどかもさやかも喜んでいた
昔の仲間が揃おうとしていたから
ただ
まどかの一番望む一人がいつまでも戻らなかった
「いつも思うんだけどよ」
「ん?」
いつものメンバーでお茶をしていたとき杏子が口を開いた
「まどかは何でいつもあそこに立ってんだよ」
「そういえばそうね」
まどかは前から一番見渡しのいい場所にいることがあった
何をするでもなく下界を見下ろすだけ
ただ時折笑ったり寂しそうにするだけ
「んー……お天気でも気になるのかしら」
「いやぁそれはないっすよマミさん」
「そもそもここ天気関係ねーしな」
「そうかしら…………」
そういって自然にまどかを見つめる3人
今日のまどかはいつにもまして不安そうに佇んでいた
「よっし、ここはさやかちゃんが聞いてきちゃいますかー!!」
「えーやめとけよーお前ぜってー変なこというだろ」
「言わんわ!!!!」
杏子にツッコミをいれまどかの元に向かう
「まーどか」
「……さやかちゃん」
「隣いい?」
「うん、どうぞ」
微笑むまどかの隣に立つ
「まどかはいつもここから何を見てるの?」
「…………ほむらちゃんを」
「え、あぁ………ほむらかぁ」
全ての魔法少女がここに戻ってきたがほむらだけは戻っていない
「あのね……さやかちゃん 変な話していいかな」
「どうそどうぞ!!このさやかちゃんに話してごらん!!」
「……ほむらちゃんは怒ってないかな」
「え?」
まどかは弱い声で続ける
「ほら…私の勝手な願いで世界が改変されて
ほむらちゃんはずっと頑張ってるじゃない?」
「……うん」
「それは私が守りたかった場所だからって……ほむらちゃんは頑張ってる」
「そうだね」
確かに一緒にいたころほむらは同じことを話していた
―――ここは、まどかの守りたかった場所なんだ――――
―――だから、私はここで戦い続ける―――
真剣な目でどこか遠くを見つめるように一度だけ話してくれた
その時はまどかのことを忘れていたから半分は聞き流していたけれど
「でも私の我が儘にほむらちゃんを付き合わせて…ほむらちゃんに悪いなって」
「………ほむらは自分の意思で戦ってるよ」
「それでもっ……」
さやかの受け答えにまどかは顔を上げる
……ぼろぼろと涙を溢しながら
「それでも……私はほむらちゃんに申し訳ないよ!!
こんな長い時間辛いことを続けさせて………沢山の魔法少女は救えたけどっ……
私は、ほむらちゃんにっ」
「まどか」
「………」
「ほむらはさ、まどかの為に戦ってるよ」
「……」
静かにさやかは続ける
「確かに辛いこともあるよね。年頃の女の子と同じことができない
結婚もできないし、好きなことも十分にはできないよね。
でもね、ほむらはまどかの為ならどんなに辛くても頑張れるよ」
「……さやかちゃん」
「まどかがここで魔法少女を助けたいから、ほむらはまどかの手伝いをするんだよ」
「………私のため…」
「そう、まどかのため。 んまぁ世界のためとか自分のためもあるだろうけどさ」
「…………そうかな……」
「絶対そう だってあいつまどか一筋だもん」
「……あはは」
まどかがようやく笑ってみせる
その顔を見てさやかは少し安心する
「……ほむらちゃん今日で最期だと思うの」
「え?そなの?」
「うん……魔力がすごく弱いから」
「……そうか応援してあげなきゃね」
「………うん」
まどかは小さく 力強く呟く
頑張って
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砂煙のたつ砂漠
いくら倒しても減らない魔獣
体が重い きっともうすぐ私は終わるかもしれない
倒せないまま………終わるかもしれない
ごめんね、最後の最後で………ごめんねまどか
諦めかけたそのとき ふと聞こえた言葉
―頑張って―
「……!」
それだけで心の靄が晴れる気がする
体が軽い
そうだもうすぐ会えるのだから このくらい何ともない
「……いってきます」
そうして私は一歩踏み出す
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
ここはどこだろう
白く霧のかかる目の前
確か魔獣を倒して 誰かに呼ばれた気がして
それで………
「ほむらちゃん!!!!」
「えっ!?」
振り替えるとそこにいたのは
マミと杏子とさやかと
「…………まどか」
「ほむらちゃん」
今にも泣きそうなまどかが走ってくる
「ほむらちゃ……」
「ま、待って!!!」
抱きついてこようとするまどかに制止をかける
不安な顔をさせたけれどこれだけは聞かないといけない
気になって仕方の無いこと
「まどか……私は貴方の願いに見合う仕事ができたかしら……」
「…え……?」
「貴方の守りたかったもの……守れたかしら」
何と返ってくるかわからない答えを待つのは怖い
自分では頑張ったつもりでも……まどかには認めてもらえるのか
「十分だよ」
「!!」
「十分だよ!!!有り余るよ!!!私の願い以上に頑張ってたよ!!!」
「まどか………」
「だからほむらちゃん」
おかえりなさい
「……ただいま、まどか」
ただいまを言い おかえりをききたい
おかえりを言い ただいまをききたい
帰想本能
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DECO*27さんの帰想本能を聞いてこの二人で書こうと思ってたけど
なんか違う。てか曲の関係のなさやばい!!!
参考音楽
Music : 帰想本能
Produce : DECO*27
Vocal : 悠木 碧
Album : ラブカレンダー
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