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side:J-04
俺とシーザーはどこかのレストランのバルコニーにいるんだ。
そこからは雪景色とホテルのような大きな建物が見える。そこにははっきりとはしないけどあと2.3人誰かがいたと思う。
そのあと、俺とシーザーは口論を始めるんだ。シーザーは何故か焦っていて、俺も俺で意味がわからなくて気に障るようなことを言ったんだと思う。シーザーがすごく怒ってたから。 そのあとはヤケになって二人は殴り合いになるんだ。そのあとシーザーは一人でどこかに向かう。
ここで一度場面が飛ぶんだ。場所は多分さっきのホテルのようなところの入口。ただ入口は崩れて瓦礫の山になってる。そこにシーザーは見つからなくて必死に探すんだ。
次の場面になったときシーザーは俺に何かを言うんだよ。それが何かはわからないけど
それでまた次の場面になったとき俺は大きながれきの前にいるんだ。
それがなにかはわからないけどただ、直感的にわかるのは
――シーザーが死んでるんだ
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side:C-02
ジョセフの話が途切れたあともシーザーは何も言えなかった。だって、そんなの
「夢の話だろ……?」
「確かにただの夢かもしれない。でも俺はもうこの夢を何度も見ているんだ」
「もしかして…最近喧嘩になったときすぐ謝ってきたのは」
「……そうだよ、もし夢と同じようなことがあったとするならもう喧嘩別れなんてごめんだ」
そう言うと俯いたまま いつの間にか握られていた手に力がこもる。
例えそれが夢じゃないとしたらなんなのだろう。
もし、何かを伝えたいのなら何を伝えたいのだろう。
「だから」
ふと顔を上げたジョセフはまだ泣いてはいるけれどそれでも決意したような力強い目をしていた。
「だからシーザーにはこの場所に行って欲しくない。できたらその期間だけでも離れたくない。シーザーがいなくなるのは嫌だ」
「……」
「ごめんな、気持ち悪いよな。でも俺はお前を守りたい」
そういうとこちらの言葉を待つようにジョセフは黙り込む。
たかが、夢なのに たかが、夢の中での俺なのに 何がそこまでお前を動かすんだ。
思った気持ちがひとつも言葉にならないままいるとジョセフは立ち上がって帰り支度をはじめる。
「ごめんな、変な話して。今日は帰るわ」
そういうと電気をつけないままの暗い廊下を進んでいく。意識が急に戻ってきたような感覚になりシーザーは弾かれたように追いかける
「おい、ジョジョ!待てよ!」
「あ、DVDジョナ兄んとこ届けるかなんかしといてくれたらいいから。そのまま返してくれてもいいし」
「違う!俺は……」
「俺は、何?」
聞き返されて言葉に詰まる。俺はなんだというんだ。
振り返ったジョセフは諦めたように笑って玄関の鍵を開ける
「シーザー、」
扉をあけて出ていく直前に
「……またな」
一瞬考えるような間のあと小さく別れを告げて部屋を出た。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
side:C-02
カラカラカラと何かを巻く音がする。
音のあとに目に飛び込んできたのは眩しいほどの白銀の世界だった
目の前にいるのは黒髪のとても美しい女性と少しばかり意地の悪そうな髭の男とそれから、ジョセフだ。
ただ、格好がいつもと違う。今のようなラフな格好はしていない。
自分の声が聞こえる。とても尖った声だ。
それにジョセフが答える。またそれに俺がつっかかるように答える。女性が仲介に入ろうとする
何かをジョセフが言った時画面が少し、いや大きく揺れる。手袋をした手が見えた。恐らく俺の手だろう
そのあと何度も画面が揺れて次に安定したときには場面が変わっていた
カラカラカラと音がしたあと映し出されたのは大きな古ぼけた建物だ。
何かと戦っている?目の前の空間が少しばかり歪んで見える。
今度はすぐに画面が変わる。ところどころ崩れた瓦礫が見える。さっきの建物の中かもしれない。
「ただ俺は……誇り高きツェペリ家の男だ…」
聞こえた声が今にも途切れそうに紡がれる。
「俺が託すのは代々受け継がれてきたツェペリ魂だ…人間の魂だっ!」
一層強く高らかに聞こえた言葉の意味はわからないが一瞬頭が痛くなる
そして最後に血と傷だらけの腕で掲げたのはバンダナと指環だ
「ジョジョーッ!俺の最後の波紋だぜ受け取ってくれーー!」
そう叫んだ直後視界に飛び込んできたのは天井が崩れたせいで落ちてきた大きな瓦礫だった
ぶつん、と鈍い音を立てて映像が途切れる。
それで初めてここはどこだろうという疑問が浮かぶ 見えるのはもう何も映らない画面とカラカラと空巻きを止めない映写機だ
それ以外は何も見えない
「思い出したかよ」
ふと声が聞こえて振り返るとそこにいたのは自分だった。ただ、違うのは格好だった
深緑のジャケットと映像に写っていたのと同じグローブ………別の自分だと確信した
「今のは、なんの映像だ」
「簡単にいえば俺の生前の記憶。そしてお前の前世だ」
あぁ、ジョセフの言っていたことは本当なんだと思う傍ら自分の姿を目で見るのは気分が良いものではないなと考える。それは目の前のシーザーも同じなのか首をかきながら目をそらす
「なんか自分の姿見るのは気持ち悪いな。ってかお前細い」
「いや、これでも全然ついてるほうだぜつーかお前が筋肉つけすぎなんだよ」
ム、としたような顔をしたあと無理に話をそらす
「で。まあそれはいいとして、これを見てなにか思い出したか」
「いや、はっきりとは」
「ふん、まぁ目が覚めたら粗方思い出すだろうぜ。」
「……俺はどうしたらいいんだろうな」
「あ?」
目の前の自分が怪訝そうな顔をする。
「俺は何をしてやったらいいんだろう。」
「…アイツに……ジョジョにってことか」
小さく頷くと少しの沈黙のあと盛大にため息が聞こえた。
「な、なんだよ」
「そんなの自分で考えろよ」
閉じられていた目がもう一度開かれる。睨むような鋭い目に一瞬どきりとした
「あのな、俺とお前は確かに同一人物かもしれないし、記憶もあるかもしれない。でもな、今とあの時は状況が違うんだよ」
「状況……」
「あの時は柱の男たちとの戦いもあったし過ごした時間も少なかったから最悪な終わりだった。でも今は違うだろ。死ぬようなことは滅多にない闘いなんか起きもしない、安全な穏やかな環境が約束されている。 関係も戦友とかそんなものでもないし出会いだって………何も悪くなかったろ」
何も言えずに話を聞くしかなかった。
そうだ何もかも違うんだ。だとしたら当然やるべきことも変わってくる。
目の前の自分はもう一度口を開く
「何をしても許されるんだよ。あいつのためだと思うなら何でもしてやればいい。」
「……」
「お前にはチャンスがあるんだよ」
そうだ。やり直せるのだ あの時みたいな終りにならないために
それだけいうと男は踵を返してどこかに行く。
「おい…」
「俺は帰るよ。お前もようやくわかったみてえだしな。」
「……ありがとな」
ピタリと立ち止まり振り返ったと思ったら微笑んでまた歩き出す
「ったく、気付くのが遅えんだよ。ま、せいぜい頑張れよ。できるなら変わって欲しいぐらいだしな」
「……またな」
「バッカ。もうこねえよ。ほらお前もそろそろ目ェ覚ませよ、目覚ましが呼んでるぜ」
そう言われてどこからかアラームの音がするのに気づく。最後に見たのは手をひらひらとさせる姿だった。
目が覚めると見慣れた部屋の天井だった。あのあとの記憶がないがベッドにいるということは自分で動いたのだろう。
ふいに目元から涙が流れ落ちた。それを合図にあとからボロボロと続いて涙が溢れるたまらず目元を手で覆う
「あぁ……ああ」
嗚咽に混じってジョセフの名前と小さな謝罪が繰り返される。そして最後に自分にくそったれと絞り出すように吐く
確かに全部思い出した。波紋のこと父親のこと柱の男のこと
それから、仲間と…ジョセフと過ごした一ヶ月のこと
こんな辛い事をジョセフはずっと抱え考えていたのだ。なんなのかもはっきりしないような記憶を抱えたまま。もしかしたら前世でもずっと悩んでいたのかもしれない。そう思うと後から追うようにまた涙が出る。
だがいつまでもそうしていられない
携帯を見ると6時ちょうどだ。頭は冴え切っている。目を袖で擦るように拭ってからベッドから飛び降りる。
窓辺までの距離を二歩で詰め寄ってカーテンを開ける
やることは、決まっている
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side:J-05
ここはどこだ。あぁ、ここはいつか夢に見た孤島だ
丘から見えるのは青い空と海。遠くに波の音と海猫の声が聞こえる。
「久しぶりだな。」
ふいに背後から声が聞こえて振り向くとそこには何度も夢に見たシーザーだ。
「まぁ、久しぶりつってもアイツは別だがな」
「シーザー……」
ふと視界に明るい色が移りこんで目をやると向日葵畑がある。だがここは砂浜だし恐らくひまわりの咲く季節でもない。
「随分都合のいい夢だな」
「いいじゃねえか俺の夢なんだ。好きにさせろよ」
いや、正確には俺の夢なんだけどね?と思ったが特に抗議する気にもならずだまってその整った顔を見ているとふいに目の前に手を掲げる
「ほら、これもできるんだぜ」
そう言うと手袋から透明な膜が現れる。徐々に大きさをまして丸い形に変わって空に昇る。太陽の光で虹色がキラキラと控えめに輝く
「…シーザー」
「何もいうなよ。」
遮るように冷たい声が重なる。絶えずシャボン玉は宙に舞っていくがシーザーは眉間にシワを寄せて口を結ぶようにしている。
「こんなつもりじゃなかったんだ。もし、もし次にお前と俺が会ったとき前世のことを覚えていたら仲良くやってたんじゃないかと思って……中途半端に願ったのがいけなかったのかもな、だから曖昧にお前にしか記憶が残らなかった。」
「……俺とシーザーはさ多分そんなことしなくても仲良くしてたと思うぜ。遅かれ早かれどこかで出会って」
「……あぁ」
「でも、もっと遅かったかもしれない機会が、こうやってシーザーちゃんが気を使ってくれたから早く訪れたと思ったら悪くはねえよな」
「……」
「俺は大事な事を思い出せてよかったと思ってる。だからさ」
泣かないでね 、という言葉に更に俯いて顔をおおってしまう。いつからかシーザーは耐えられずに泣き出していた
「ごめん……ごめんなさい」
「謝る意味がわからんね。俺さっきからお礼言ってるのに」
「相変わらずわけわかんねえな、お前は」
顔を上げたシーザーの顔は笑っている。それにつられて自分の顔が緩むのがわかった
「もう俺はここで終りにする。…そっちの俺を宜しくな」
「任せとけって…ところでひとつ聞きたいんだけどよ。さっきから俺の名前を呼ばないのは何でだよ」
シーザーは少し考えるようにしてからもう一度視線を上げる。
「それはわかってんだろ」
わかってる。ということは今自分が思っていることと同じなのだろう。
「それは、『そっち』の俺がお前にとっての俺だからってことか」
「そういうことだな。『こっち』のジョジョが俺にとって全部なんだよ。お前にとっての俺が、そっちの俺であるようにな」
自身にとってのシーザー・A・ツェペリが目の前の彼ではないのと同じように
目の前にいるシーザーにとってジョセフ・ジョースターとは自分のことではなく生前ともに過ごした男なのだ
「そっちのオレの事よろしくな。」
「そっちもな。今頃惨めったらしく泣いてんじゃねえか?」
「あっ!そうじゃん俺シーザーにヒデぇことしたな……」
シーザーへの冷たい態度を思い出して罪悪感と後悔から頭を抱えるとそれをみてシーザーがケラケラと笑う
「まぁ、多分大丈夫だろ。あとはお前らの問題だな」
「…ほんっとーにやることやって帰るのネ」
「当たり前だろ。ほら、早く起きろよ」
「ハーイハイ。じゃあな」
軽く手をふって海に向かうように丘を下る。
「あ、そうだ」
ぴたりと立ち止まりシーザーを振り返る。
不思議そうな顔をしたシーザーに最後のイタズラをと思うと顔が自然にニヤける
「シーザーちゃんってホントに俺のこと大好きよねっ!」
「なっ………」
一気に顔を赤く染めるのを見てそのまま何も言わずに走り出す
「おい!待て!馬鹿言ってるんじゃあないスカタン!」
「へっへーん!じゃあーねーッ!」
次第に声が遠ざかりパタと意識が途切れた
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Side:J-06
目を覚ますと見慣れた部屋の天井だった。今は何時だろう。まぁ土曜日だから何時でもいい、あぁでもできたら昼であればいい。それだけ贅沢に休めたと思えるから。
そんなことをぼんやりと思いながら寝返りを打つ。瞬間で頭がクリアになった
「え? 」
「遅い」
思わず声を上げると不機嫌そうに目の前の顔が歪む。床にあぐらをかいたシーザーがいた。
まず状況を整理する時間をいただきたい。ここは俺の部屋であり恐らくまだ昼前…遅くても昼だ。そしてシーザーとは昨日のことがある。あそこで縁を切られてもおかしくはないはずだ。というか自分だったら切る。
そのはずなのにシーザーはいま目の前にいる
「なんで?」
「何でだとぉ?自分だけ言いたいこと言ったらさっさと帰りやがって……」
「あああああっ!!!!昨日はすいませんでしたあああああっ!!!!」
「声がでけえんだよスカタン!今何時だと思ってんだ!」
「……何時?」
「9時」
「9時ィ!?」
たまらず驚愕の声をあげるとまた頭を叩かれる。なぜこんな早い時間からこの男は来てるのかがわからない。しかも自分が起きるまで待っていたというのだ。
「なんでこんな早くから……」
「昨日は全く俺の話を聞いてもらえなかったしな逃げずに最後まで聞いてもらうぜジョジョ」
睨みを利かせるその目には怒りの色をしている。
正直、話はしたくない。あんな態度をとっておいていい反応が来るわけがない。拒絶の反応をされて傷つくのなら何も言われず避けられた方が楽だ。
だが今ジョセフがいるのはベッドの上、シーザーは目の前に座っている。逃げようと思えば逃げ出せるがシーザーの威圧感に負けて動こうとは思わなかった。
「ジョジョ、俺はな」
「……」
迷うように視線を泳がせるシーザーを見てできるだけ無難な言葉を選んでるんだなぁと思った。ここまで来たら何を言われても仕方ないと腹をくくってジョセフは何となく正座になる
だが、ジョセフの想像を裏切るようにシーザーは頭を下げる
「ごめん!」
いきなりの謝罪に思考が止まる。目の錯覚かなんかじゃないかともうみるがやはり目の前ではシーザーが土下座のまま動かない
「俺全部思い出した。正確には夢で見たんだが……それで、お前が言っていたことが本当だったってわかった。あんな辛いもの一人で見てたんだな。それなのに俺は信じようとしなくて、ごめん…」
「ちょ、ちょっと待てよシーザー!」
シーザーの肩を無理に押して土下座をやめさせる。申し訳ないという顔のシーザーが見上げてくる
「え、何で謝ってんの?だって夢の話だって最初信じなかったじゃあねえか!」
「だから……最初はそうだったかもしんねえが思い出したって…」
「そうだとしても!いきなりあんなこと言われたら普通はここまでしねえぜ!なんでこんな」
「チャンスがあるって、記憶のある俺らならもうあんな結末迎えないで済むって言われたから」
「会ったのか……」
その一言で理解したのか小さく頷く。まさか自分自身に会いにいくとは思わなかった。そういえば夢の中でそんなような事を言っていたような気もするなとぼんやりと考える。そのあいだにもシーザーは言葉を続けた
「だから、俺なりにどうしたらいいか考えたんだ。どうしたらあんな結末にならずに今度こそ二人楽しくやれるだろうって。それで」
シーザーが唇をギュッと噛む。視線を泳がせて、それから真っ直ぐにジョセフの目を見る。青い海のような瞳が一瞬輝いたような気がした
「一緒にいたい。二人で色んなことをしていろんなところに行ってみたい。前の時にできなかったことを全部」
「シーザー……」
シーザーの視線は泳がない。真っ直ぐに見つめてくる。あぁ、外で鳥の歌うような声が聴こえる。
少しの沈黙、それを破るようにシーザーを呼ぶ
「シーザー。 俺はお前にどうしてやることがベストなのかわからない。一生かけて償えばいいのかもしれないし、二度と関わらなければあんな事起こらないとも考えた。でも、それは逃げてることにしかならねえんだよな。それに、きっとそんなことお前も……アイツも許さないよな」
「…当たり前だろ。どこまででも追いかけてぶん殴ってやる」
脅すようにそういったシーザーに苦笑いが溢れる。
そうだ、せっかくアイツが残してくれたチャンスと希望を自ら無いことにするなんてきっと怒られてしまう。怒ったらただでさえ怖いシーザーなのに、二人もなんて身が持たない
それに、今自分はそれをしたくない。
「だから、俺は『どうするべきか』じゃなくて俺が『したいこと』したい。」
カーテンの隙間から陽の光が入り込んで緩々と暖かい光が溶け込んでくる。きっと今日はいい天気だろう
深呼吸を一つして口を開く
「シーザー、」
俺はね、シーザー
「一瞬にいたい」
あぁ、自分はこの朝を忘れることはきっとないだろう。
光はさらに輝きを増して シーザーを包み込む
金糸のような髪は光を巻き込み反射してキラキラと光る。
自分のものよりもずっと白い肌は透き通るようになり、顔が綻ぶのにつれて頬が赤さを増す
そして何よりも綺麗なのは海を閉じ込めたような青い瞳がキラキラと揺れてボロボロと溢れる涙がまるで真珠のようだ
なんて、言ったらシーザーは怒るから言わないけどね
と心のうちで呟きながら半分飛び込むようにシーザーに抱きついた。シーザーは受け止めきれずにそのまま床に倒れ込む。
「いっ!!………ってえなこのバカ!」
「ちゃんと受け止めてよシーザー!」
いつの間にかジョセフも涙を流しながら楽しそうに笑う。柔らかい髪に埋もれるように擦り寄ると背中を強く叩かれる。それから諦めたようにシーザーも首元に擦り寄る
「シーザー!」
突然パッと離れて顔を見下ろすように起き上がる。そして楽しそうにこう言い放つ
「おはよう!」
目を瞬かせてからすべて理解したように答えたシーザーは
「…おはよう、JOJO!」
その日一番幸せそうに笑うのだ
-Fin-
- - - - - - - - - -
前半がまさかの文字制限ギリギリで修正できんかった。
元ネタはフォロワーさんと「ぼんやりした記憶は残ってるけどほとんど忘れてるジョセフはどうするんだろうね!」って話をしたから。
書く前はこう…もっと明るいはずだった
side:J-04
俺とシーザーはどこかのレストランのバルコニーにいるんだ。
そこからは雪景色とホテルのような大きな建物が見える。そこにははっきりとはしないけどあと2.3人誰かがいたと思う。
そのあと、俺とシーザーは口論を始めるんだ。シーザーは何故か焦っていて、俺も俺で意味がわからなくて気に障るようなことを言ったんだと思う。シーザーがすごく怒ってたから。 そのあとはヤケになって二人は殴り合いになるんだ。そのあとシーザーは一人でどこかに向かう。
ここで一度場面が飛ぶんだ。場所は多分さっきのホテルのようなところの入口。ただ入口は崩れて瓦礫の山になってる。そこにシーザーは見つからなくて必死に探すんだ。
次の場面になったときシーザーは俺に何かを言うんだよ。それが何かはわからないけど
それでまた次の場面になったとき俺は大きながれきの前にいるんだ。
それがなにかはわからないけどただ、直感的にわかるのは
――シーザーが死んでるんだ
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ジョセフの話が途切れたあともシーザーは何も言えなかった。だって、そんなの
「夢の話だろ……?」
「確かにただの夢かもしれない。でも俺はもうこの夢を何度も見ているんだ」
「もしかして…最近喧嘩になったときすぐ謝ってきたのは」
「……そうだよ、もし夢と同じようなことがあったとするならもう喧嘩別れなんてごめんだ」
そう言うと俯いたまま いつの間にか握られていた手に力がこもる。
例えそれが夢じゃないとしたらなんなのだろう。
もし、何かを伝えたいのなら何を伝えたいのだろう。
「だから」
ふと顔を上げたジョセフはまだ泣いてはいるけれどそれでも決意したような力強い目をしていた。
「だからシーザーにはこの場所に行って欲しくない。できたらその期間だけでも離れたくない。シーザーがいなくなるのは嫌だ」
「……」
「ごめんな、気持ち悪いよな。でも俺はお前を守りたい」
そういうとこちらの言葉を待つようにジョセフは黙り込む。
たかが、夢なのに たかが、夢の中での俺なのに 何がそこまでお前を動かすんだ。
思った気持ちがひとつも言葉にならないままいるとジョセフは立ち上がって帰り支度をはじめる。
「ごめんな、変な話して。今日は帰るわ」
そういうと電気をつけないままの暗い廊下を進んでいく。意識が急に戻ってきたような感覚になりシーザーは弾かれたように追いかける
「おい、ジョジョ!待てよ!」
「あ、DVDジョナ兄んとこ届けるかなんかしといてくれたらいいから。そのまま返してくれてもいいし」
「違う!俺は……」
「俺は、何?」
聞き返されて言葉に詰まる。俺はなんだというんだ。
振り返ったジョセフは諦めたように笑って玄関の鍵を開ける
「シーザー、」
扉をあけて出ていく直前に
「……またな」
一瞬考えるような間のあと小さく別れを告げて部屋を出た。
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カラカラカラと何かを巻く音がする。
音のあとに目に飛び込んできたのは眩しいほどの白銀の世界だった
目の前にいるのは黒髪のとても美しい女性と少しばかり意地の悪そうな髭の男とそれから、ジョセフだ。
ただ、格好がいつもと違う。今のようなラフな格好はしていない。
自分の声が聞こえる。とても尖った声だ。
それにジョセフが答える。またそれに俺がつっかかるように答える。女性が仲介に入ろうとする
何かをジョセフが言った時画面が少し、いや大きく揺れる。手袋をした手が見えた。恐らく俺の手だろう
そのあと何度も画面が揺れて次に安定したときには場面が変わっていた
カラカラカラと音がしたあと映し出されたのは大きな古ぼけた建物だ。
何かと戦っている?目の前の空間が少しばかり歪んで見える。
今度はすぐに画面が変わる。ところどころ崩れた瓦礫が見える。さっきの建物の中かもしれない。
「ただ俺は……誇り高きツェペリ家の男だ…」
聞こえた声が今にも途切れそうに紡がれる。
「俺が託すのは代々受け継がれてきたツェペリ魂だ…人間の魂だっ!」
一層強く高らかに聞こえた言葉の意味はわからないが一瞬頭が痛くなる
そして最後に血と傷だらけの腕で掲げたのはバンダナと指環だ
「ジョジョーッ!俺の最後の波紋だぜ受け取ってくれーー!」
そう叫んだ直後視界に飛び込んできたのは天井が崩れたせいで落ちてきた大きな瓦礫だった
ぶつん、と鈍い音を立てて映像が途切れる。
それで初めてここはどこだろうという疑問が浮かぶ 見えるのはもう何も映らない画面とカラカラと空巻きを止めない映写機だ
それ以外は何も見えない
「思い出したかよ」
ふと声が聞こえて振り返るとそこにいたのは自分だった。ただ、違うのは格好だった
深緑のジャケットと映像に写っていたのと同じグローブ………別の自分だと確信した
「今のは、なんの映像だ」
「簡単にいえば俺の生前の記憶。そしてお前の前世だ」
あぁ、ジョセフの言っていたことは本当なんだと思う傍ら自分の姿を目で見るのは気分が良いものではないなと考える。それは目の前のシーザーも同じなのか首をかきながら目をそらす
「なんか自分の姿見るのは気持ち悪いな。ってかお前細い」
「いや、これでも全然ついてるほうだぜつーかお前が筋肉つけすぎなんだよ」
ム、としたような顔をしたあと無理に話をそらす
「で。まあそれはいいとして、これを見てなにか思い出したか」
「いや、はっきりとは」
「ふん、まぁ目が覚めたら粗方思い出すだろうぜ。」
「……俺はどうしたらいいんだろうな」
「あ?」
目の前の自分が怪訝そうな顔をする。
「俺は何をしてやったらいいんだろう。」
「…アイツに……ジョジョにってことか」
小さく頷くと少しの沈黙のあと盛大にため息が聞こえた。
「な、なんだよ」
「そんなの自分で考えろよ」
閉じられていた目がもう一度開かれる。睨むような鋭い目に一瞬どきりとした
「あのな、俺とお前は確かに同一人物かもしれないし、記憶もあるかもしれない。でもな、今とあの時は状況が違うんだよ」
「状況……」
「あの時は柱の男たちとの戦いもあったし過ごした時間も少なかったから最悪な終わりだった。でも今は違うだろ。死ぬようなことは滅多にない闘いなんか起きもしない、安全な穏やかな環境が約束されている。 関係も戦友とかそんなものでもないし出会いだって………何も悪くなかったろ」
何も言えずに話を聞くしかなかった。
そうだ何もかも違うんだ。だとしたら当然やるべきことも変わってくる。
目の前の自分はもう一度口を開く
「何をしても許されるんだよ。あいつのためだと思うなら何でもしてやればいい。」
「……」
「お前にはチャンスがあるんだよ」
そうだ。やり直せるのだ あの時みたいな終りにならないために
それだけいうと男は踵を返してどこかに行く。
「おい…」
「俺は帰るよ。お前もようやくわかったみてえだしな。」
「……ありがとな」
ピタリと立ち止まり振り返ったと思ったら微笑んでまた歩き出す
「ったく、気付くのが遅えんだよ。ま、せいぜい頑張れよ。できるなら変わって欲しいぐらいだしな」
「……またな」
「バッカ。もうこねえよ。ほらお前もそろそろ目ェ覚ませよ、目覚ましが呼んでるぜ」
そう言われてどこからかアラームの音がするのに気づく。最後に見たのは手をひらひらとさせる姿だった。
目が覚めると見慣れた部屋の天井だった。あのあとの記憶がないがベッドにいるということは自分で動いたのだろう。
ふいに目元から涙が流れ落ちた。それを合図にあとからボロボロと続いて涙が溢れるたまらず目元を手で覆う
「あぁ……ああ」
嗚咽に混じってジョセフの名前と小さな謝罪が繰り返される。そして最後に自分にくそったれと絞り出すように吐く
確かに全部思い出した。波紋のこと父親のこと柱の男のこと
それから、仲間と…ジョセフと過ごした一ヶ月のこと
こんな辛い事をジョセフはずっと抱え考えていたのだ。なんなのかもはっきりしないような記憶を抱えたまま。もしかしたら前世でもずっと悩んでいたのかもしれない。そう思うと後から追うようにまた涙が出る。
だがいつまでもそうしていられない
携帯を見ると6時ちょうどだ。頭は冴え切っている。目を袖で擦るように拭ってからベッドから飛び降りる。
窓辺までの距離を二歩で詰め寄ってカーテンを開ける
やることは、決まっている
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side:J-05
ここはどこだ。あぁ、ここはいつか夢に見た孤島だ
丘から見えるのは青い空と海。遠くに波の音と海猫の声が聞こえる。
「久しぶりだな。」
ふいに背後から声が聞こえて振り向くとそこには何度も夢に見たシーザーだ。
「まぁ、久しぶりつってもアイツは別だがな」
「シーザー……」
ふと視界に明るい色が移りこんで目をやると向日葵畑がある。だがここは砂浜だし恐らくひまわりの咲く季節でもない。
「随分都合のいい夢だな」
「いいじゃねえか俺の夢なんだ。好きにさせろよ」
いや、正確には俺の夢なんだけどね?と思ったが特に抗議する気にもならずだまってその整った顔を見ているとふいに目の前に手を掲げる
「ほら、これもできるんだぜ」
そう言うと手袋から透明な膜が現れる。徐々に大きさをまして丸い形に変わって空に昇る。太陽の光で虹色がキラキラと控えめに輝く
「…シーザー」
「何もいうなよ。」
遮るように冷たい声が重なる。絶えずシャボン玉は宙に舞っていくがシーザーは眉間にシワを寄せて口を結ぶようにしている。
「こんなつもりじゃなかったんだ。もし、もし次にお前と俺が会ったとき前世のことを覚えていたら仲良くやってたんじゃないかと思って……中途半端に願ったのがいけなかったのかもな、だから曖昧にお前にしか記憶が残らなかった。」
「……俺とシーザーはさ多分そんなことしなくても仲良くしてたと思うぜ。遅かれ早かれどこかで出会って」
「……あぁ」
「でも、もっと遅かったかもしれない機会が、こうやってシーザーちゃんが気を使ってくれたから早く訪れたと思ったら悪くはねえよな」
「……」
「俺は大事な事を思い出せてよかったと思ってる。だからさ」
泣かないでね 、という言葉に更に俯いて顔をおおってしまう。いつからかシーザーは耐えられずに泣き出していた
「ごめん……ごめんなさい」
「謝る意味がわからんね。俺さっきからお礼言ってるのに」
「相変わらずわけわかんねえな、お前は」
顔を上げたシーザーの顔は笑っている。それにつられて自分の顔が緩むのがわかった
「もう俺はここで終りにする。…そっちの俺を宜しくな」
「任せとけって…ところでひとつ聞きたいんだけどよ。さっきから俺の名前を呼ばないのは何でだよ」
シーザーは少し考えるようにしてからもう一度視線を上げる。
「それはわかってんだろ」
わかってる。ということは今自分が思っていることと同じなのだろう。
「それは、『そっち』の俺がお前にとっての俺だからってことか」
「そういうことだな。『こっち』のジョジョが俺にとって全部なんだよ。お前にとっての俺が、そっちの俺であるようにな」
自身にとってのシーザー・A・ツェペリが目の前の彼ではないのと同じように
目の前にいるシーザーにとってジョセフ・ジョースターとは自分のことではなく生前ともに過ごした男なのだ
「そっちのオレの事よろしくな。」
「そっちもな。今頃惨めったらしく泣いてんじゃねえか?」
「あっ!そうじゃん俺シーザーにヒデぇことしたな……」
シーザーへの冷たい態度を思い出して罪悪感と後悔から頭を抱えるとそれをみてシーザーがケラケラと笑う
「まぁ、多分大丈夫だろ。あとはお前らの問題だな」
「…ほんっとーにやることやって帰るのネ」
「当たり前だろ。ほら、早く起きろよ」
「ハーイハイ。じゃあな」
軽く手をふって海に向かうように丘を下る。
「あ、そうだ」
ぴたりと立ち止まりシーザーを振り返る。
不思議そうな顔をしたシーザーに最後のイタズラをと思うと顔が自然にニヤける
「シーザーちゃんってホントに俺のこと大好きよねっ!」
「なっ………」
一気に顔を赤く染めるのを見てそのまま何も言わずに走り出す
「おい!待て!馬鹿言ってるんじゃあないスカタン!」
「へっへーん!じゃあーねーッ!」
次第に声が遠ざかりパタと意識が途切れた
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Side:J-06
目を覚ますと見慣れた部屋の天井だった。今は何時だろう。まぁ土曜日だから何時でもいい、あぁでもできたら昼であればいい。それだけ贅沢に休めたと思えるから。
そんなことをぼんやりと思いながら寝返りを打つ。瞬間で頭がクリアになった
「え? 」
「遅い」
思わず声を上げると不機嫌そうに目の前の顔が歪む。床にあぐらをかいたシーザーがいた。
まず状況を整理する時間をいただきたい。ここは俺の部屋であり恐らくまだ昼前…遅くても昼だ。そしてシーザーとは昨日のことがある。あそこで縁を切られてもおかしくはないはずだ。というか自分だったら切る。
そのはずなのにシーザーはいま目の前にいる
「なんで?」
「何でだとぉ?自分だけ言いたいこと言ったらさっさと帰りやがって……」
「あああああっ!!!!昨日はすいませんでしたあああああっ!!!!」
「声がでけえんだよスカタン!今何時だと思ってんだ!」
「……何時?」
「9時」
「9時ィ!?」
たまらず驚愕の声をあげるとまた頭を叩かれる。なぜこんな早い時間からこの男は来てるのかがわからない。しかも自分が起きるまで待っていたというのだ。
「なんでこんな早くから……」
「昨日は全く俺の話を聞いてもらえなかったしな逃げずに最後まで聞いてもらうぜジョジョ」
睨みを利かせるその目には怒りの色をしている。
正直、話はしたくない。あんな態度をとっておいていい反応が来るわけがない。拒絶の反応をされて傷つくのなら何も言われず避けられた方が楽だ。
だが今ジョセフがいるのはベッドの上、シーザーは目の前に座っている。逃げようと思えば逃げ出せるがシーザーの威圧感に負けて動こうとは思わなかった。
「ジョジョ、俺はな」
「……」
迷うように視線を泳がせるシーザーを見てできるだけ無難な言葉を選んでるんだなぁと思った。ここまで来たら何を言われても仕方ないと腹をくくってジョセフは何となく正座になる
だが、ジョセフの想像を裏切るようにシーザーは頭を下げる
「ごめん!」
いきなりの謝罪に思考が止まる。目の錯覚かなんかじゃないかともうみるがやはり目の前ではシーザーが土下座のまま動かない
「俺全部思い出した。正確には夢で見たんだが……それで、お前が言っていたことが本当だったってわかった。あんな辛いもの一人で見てたんだな。それなのに俺は信じようとしなくて、ごめん…」
「ちょ、ちょっと待てよシーザー!」
シーザーの肩を無理に押して土下座をやめさせる。申し訳ないという顔のシーザーが見上げてくる
「え、何で謝ってんの?だって夢の話だって最初信じなかったじゃあねえか!」
「だから……最初はそうだったかもしんねえが思い出したって…」
「そうだとしても!いきなりあんなこと言われたら普通はここまでしねえぜ!なんでこんな」
「チャンスがあるって、記憶のある俺らならもうあんな結末迎えないで済むって言われたから」
「会ったのか……」
その一言で理解したのか小さく頷く。まさか自分自身に会いにいくとは思わなかった。そういえば夢の中でそんなような事を言っていたような気もするなとぼんやりと考える。そのあいだにもシーザーは言葉を続けた
「だから、俺なりにどうしたらいいか考えたんだ。どうしたらあんな結末にならずに今度こそ二人楽しくやれるだろうって。それで」
シーザーが唇をギュッと噛む。視線を泳がせて、それから真っ直ぐにジョセフの目を見る。青い海のような瞳が一瞬輝いたような気がした
「一緒にいたい。二人で色んなことをしていろんなところに行ってみたい。前の時にできなかったことを全部」
「シーザー……」
シーザーの視線は泳がない。真っ直ぐに見つめてくる。あぁ、外で鳥の歌うような声が聴こえる。
少しの沈黙、それを破るようにシーザーを呼ぶ
「シーザー。 俺はお前にどうしてやることがベストなのかわからない。一生かけて償えばいいのかもしれないし、二度と関わらなければあんな事起こらないとも考えた。でも、それは逃げてることにしかならねえんだよな。それに、きっとそんなことお前も……アイツも許さないよな」
「…当たり前だろ。どこまででも追いかけてぶん殴ってやる」
脅すようにそういったシーザーに苦笑いが溢れる。
そうだ、せっかくアイツが残してくれたチャンスと希望を自ら無いことにするなんてきっと怒られてしまう。怒ったらただでさえ怖いシーザーなのに、二人もなんて身が持たない
それに、今自分はそれをしたくない。
「だから、俺は『どうするべきか』じゃなくて俺が『したいこと』したい。」
カーテンの隙間から陽の光が入り込んで緩々と暖かい光が溶け込んでくる。きっと今日はいい天気だろう
深呼吸を一つして口を開く
「シーザー、」
俺はね、シーザー
「一瞬にいたい」
あぁ、自分はこの朝を忘れることはきっとないだろう。
光はさらに輝きを増して シーザーを包み込む
金糸のような髪は光を巻き込み反射してキラキラと光る。
自分のものよりもずっと白い肌は透き通るようになり、顔が綻ぶのにつれて頬が赤さを増す
そして何よりも綺麗なのは海を閉じ込めたような青い瞳がキラキラと揺れてボロボロと溢れる涙がまるで真珠のようだ
なんて、言ったらシーザーは怒るから言わないけどね
と心のうちで呟きながら半分飛び込むようにシーザーに抱きついた。シーザーは受け止めきれずにそのまま床に倒れ込む。
「いっ!!………ってえなこのバカ!」
「ちゃんと受け止めてよシーザー!」
いつの間にかジョセフも涙を流しながら楽しそうに笑う。柔らかい髪に埋もれるように擦り寄ると背中を強く叩かれる。それから諦めたようにシーザーも首元に擦り寄る
「シーザー!」
突然パッと離れて顔を見下ろすように起き上がる。そして楽しそうにこう言い放つ
「おはよう!」
目を瞬かせてからすべて理解したように答えたシーザーは
「…おはよう、JOJO!」
その日一番幸せそうに笑うのだ
-Fin-
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前半がまさかの文字制限ギリギリで修正できんかった。
元ネタはフォロワーさんと「ぼんやりした記憶は残ってるけどほとんど忘れてるジョセフはどうするんだろうね!」って話をしたから。
書く前はこう…もっと明るいはずだった
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