「のーりあーきくん」
突然後ろから聞こえた声に驚いて弾かれるように立ち上がると天体望遠鏡はガタリと一度揺れた
振り向いた先にいたのは部屋につながる窓の傍にニコニコとしてたっているジョナサンだった。
「あ、ジョナサンさん…」
「ごめんね、いきなり声かけて。驚いたよね」
「あぁ、それは大丈夫です。それよりごめんなさい。音、大きかったですか?」
そう言いながら返事も聞かないあいだに近くにあった簡易テーブルの上のラジカセに手を伸ばす。
「あ、いやそれはいいんだよ。それより今暇?」
「へ?」
突然の質問に素っ頓狂な声が出る。中庭に出てくるかと思っていたジョナサンは未だに窓の側から動かない
「もし君が良かったら僕とシーザーと典明の三人でお茶でもどうかなって!」
「はぁ…」
いきなり何かと思ったらお茶のお誘いだった。ついでに今は23時……こんな時間にお茶?
というか、ジョナサンと自分とシーザーの三人とはどういう事だろう。あとの三人は?
「あの、ほかの三人は?」
「ん?あぁ、ディオは珍しく仕事ができたみたいでそれをやってるし、ジョセフは今日会社の飲み会だから多分朝方まで帰ってこないだろうし承太郎は、まぁ知ってるかもだけど大学に泊まり込みだし」
それを聞いてそんな事を朝言っていたかもなと思い出す。論文がなんたらかんたらと言われたけれど、寝惚けた頭にそんなことが残るわけがない。
「だから、たまには三人でーってのもいいかと思って。どう?」
そう言いながらはにかんだ顔は小さく傾ぐ。それを見て断るなんてできるだろうか。
「はい。じゃあそういう事なら」
そう呟いてラジカセの電源を切って望遠鏡に布を簡単にかけて部屋に入ってカーテンを引いた。
まぁ、断る気なんてさらさらないけどね。
JLDK !02: 真夜中ご飯
フローリングの廊下をジョナサンの後ろをついて歩く。
「君は、洋楽が好きなんだね」
「あ…はい」
さっき中庭で流れていた音楽の話だろう。少しだけ落ち着かなくて下を向く。ここに来て一ヶ月経ったとはいえまだ慣れないことが多い
「やっぱ、古いですかね…洋楽って言っても一昔前のものだし」
「ううん。全然いいと思うよ。ただ、ここの住人では珍しいなぁと思ってね。ほら、ディオは音楽なんて聴かないしジョセフは仕事の関係もあるかもだけど最近のロックバンドが多いし、シーザーもその影響受けてるし。承太郎は何を聴くのか教えてもらってないし」
僕はクラシックとか好きなんだけどねーと続けるジョナサンの背中は大きくてとても広い。響く声は柔らかく、それを見て少し落ち着いた。
「僕基本的にリビングで音楽流してるでしょ?ただ、やっぱり少し飽きがきちゃって。だから、君のおすすめとかを教えてくれたら嬉しいなって」
「……はい。」
小さく返事をし返してそれから、どうしようかと思って口を開く
「あの」
「何だい?」
立ち止まって振り返ってジョナサンはにこやかに微笑んでいる
「えと、その………承太郎は…」
「うん?」
「承太郎はというか…承太郎もクラシックとか、洋楽とか好きです…」
言い終わってから急に顔が熱くなるのを感じる。だが、ジョナサンは嬉しそうに返してくる
「……そうか。じゃあ承太郎にも手伝ってもらおっか」
「……はい」
あぁ、顔はにやけていないだろうかと頬に手を当てて熱よ下がれ下がれと思いつつリビングに足を踏み入れた
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
リビングのソファにはシーザーが既に座っていた。こちらに気がつくと姿勢を正す
「やぁ、さっきぶり」
「あはは…はい」
どこに座ろうかと思ったがとりあえずはシーザの向かいのソファに座る。テーブルの上には夕飯の残り物とそれからジョナサンが作りたしたのであろうかおかずとつまみが所狭しに並んでいる。
ええと、これはなんというか
「……お茶会というよりご飯ですよね」
「だよなぁ……」
シーザーも同じことを思っていたのだろう。小さく同意が返ってくる。
キッチンのほうからジョナサンが嬉しそうにトレーにカラフルな缶を載せてやってきた。ざっと目についたものでもなんとなく店などで見たことのあるデザインだ。つまり、缶チューハイの類
「ちょ、それ僕のんでいいんですか!?」
「え?あぁ、大丈夫!ノンアルコールもあるから。」
駄目だ。何が大丈夫なのかわからない。ただ、ジョナサンもシーザーも結構な酒好きなのは理解しているので突っ込んだところで意味がないような気がする。それに、どちらも常識のある大人だ。誤ることはないだろう。
トレーがテーブルに載らないことに気づいて床に置いたあとにシーザーの隣に座る。
「さて、今日は無礼講だよ!」
今までこの家で無礼講じゃなかったことがあっただろうか。
「だから典明も緊張しなくていいんだよ」
ジョナサンの一言にドキリとする。気づかれていたか
「まぁ、呑んでたら自然に慣れてくるだろうな。」
「そー言うこと!じゃあ手を合わせてください!」
やっぱりこれじゃご飯じゃあないか。
そう思いつつも手を合わせる。ひと呼吸おいてから誰からともなく声が上がる
『いただきます!』
真夜中ご飯、スタート
JLDK !02:真夜中ご飯 end 真夜中ご飯1に続く。
突然後ろから聞こえた声に驚いて弾かれるように立ち上がると天体望遠鏡はガタリと一度揺れた
振り向いた先にいたのは部屋につながる窓の傍にニコニコとしてたっているジョナサンだった。
「あ、ジョナサンさん…」
「ごめんね、いきなり声かけて。驚いたよね」
「あぁ、それは大丈夫です。それよりごめんなさい。音、大きかったですか?」
そう言いながら返事も聞かないあいだに近くにあった簡易テーブルの上のラジカセに手を伸ばす。
「あ、いやそれはいいんだよ。それより今暇?」
「へ?」
突然の質問に素っ頓狂な声が出る。中庭に出てくるかと思っていたジョナサンは未だに窓の側から動かない
「もし君が良かったら僕とシーザーと典明の三人でお茶でもどうかなって!」
「はぁ…」
いきなり何かと思ったらお茶のお誘いだった。ついでに今は23時……こんな時間にお茶?
というか、ジョナサンと自分とシーザーの三人とはどういう事だろう。あとの三人は?
「あの、ほかの三人は?」
「ん?あぁ、ディオは珍しく仕事ができたみたいでそれをやってるし、ジョセフは今日会社の飲み会だから多分朝方まで帰ってこないだろうし承太郎は、まぁ知ってるかもだけど大学に泊まり込みだし」
それを聞いてそんな事を朝言っていたかもなと思い出す。論文がなんたらかんたらと言われたけれど、寝惚けた頭にそんなことが残るわけがない。
「だから、たまには三人でーってのもいいかと思って。どう?」
そう言いながらはにかんだ顔は小さく傾ぐ。それを見て断るなんてできるだろうか。
「はい。じゃあそういう事なら」
そう呟いてラジカセの電源を切って望遠鏡に布を簡単にかけて部屋に入ってカーテンを引いた。
まぁ、断る気なんてさらさらないけどね。
JLDK !02: 真夜中ご飯
フローリングの廊下をジョナサンの後ろをついて歩く。
「君は、洋楽が好きなんだね」
「あ…はい」
さっき中庭で流れていた音楽の話だろう。少しだけ落ち着かなくて下を向く。ここに来て一ヶ月経ったとはいえまだ慣れないことが多い
「やっぱ、古いですかね…洋楽って言っても一昔前のものだし」
「ううん。全然いいと思うよ。ただ、ここの住人では珍しいなぁと思ってね。ほら、ディオは音楽なんて聴かないしジョセフは仕事の関係もあるかもだけど最近のロックバンドが多いし、シーザーもその影響受けてるし。承太郎は何を聴くのか教えてもらってないし」
僕はクラシックとか好きなんだけどねーと続けるジョナサンの背中は大きくてとても広い。響く声は柔らかく、それを見て少し落ち着いた。
「僕基本的にリビングで音楽流してるでしょ?ただ、やっぱり少し飽きがきちゃって。だから、君のおすすめとかを教えてくれたら嬉しいなって」
「……はい。」
小さく返事をし返してそれから、どうしようかと思って口を開く
「あの」
「何だい?」
立ち止まって振り返ってジョナサンはにこやかに微笑んでいる
「えと、その………承太郎は…」
「うん?」
「承太郎はというか…承太郎もクラシックとか、洋楽とか好きです…」
言い終わってから急に顔が熱くなるのを感じる。だが、ジョナサンは嬉しそうに返してくる
「……そうか。じゃあ承太郎にも手伝ってもらおっか」
「……はい」
あぁ、顔はにやけていないだろうかと頬に手を当てて熱よ下がれ下がれと思いつつリビングに足を踏み入れた
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
リビングのソファにはシーザーが既に座っていた。こちらに気がつくと姿勢を正す
「やぁ、さっきぶり」
「あはは…はい」
どこに座ろうかと思ったがとりあえずはシーザの向かいのソファに座る。テーブルの上には夕飯の残り物とそれからジョナサンが作りたしたのであろうかおかずとつまみが所狭しに並んでいる。
ええと、これはなんというか
「……お茶会というよりご飯ですよね」
「だよなぁ……」
シーザーも同じことを思っていたのだろう。小さく同意が返ってくる。
キッチンのほうからジョナサンが嬉しそうにトレーにカラフルな缶を載せてやってきた。ざっと目についたものでもなんとなく店などで見たことのあるデザインだ。つまり、缶チューハイの類
「ちょ、それ僕のんでいいんですか!?」
「え?あぁ、大丈夫!ノンアルコールもあるから。」
駄目だ。何が大丈夫なのかわからない。ただ、ジョナサンもシーザーも結構な酒好きなのは理解しているので突っ込んだところで意味がないような気がする。それに、どちらも常識のある大人だ。誤ることはないだろう。
トレーがテーブルに載らないことに気づいて床に置いたあとにシーザーの隣に座る。
「さて、今日は無礼講だよ!」
今までこの家で無礼講じゃなかったことがあっただろうか。
「だから典明も緊張しなくていいんだよ」
ジョナサンの一言にドキリとする。気づかれていたか
「まぁ、呑んでたら自然に慣れてくるだろうな。」
「そー言うこと!じゃあ手を合わせてください!」
やっぱりこれじゃご飯じゃあないか。
そう思いつつも手を合わせる。ひと呼吸おいてから誰からともなく声が上がる
『いただきます!』
真夜中ご飯、スタート
JLDK !02:真夜中ご飯 end 真夜中ご飯1に続く。
スポンサードリンク